完全セルフ受肉のバーチャルホテルマン・犬養さんをお迎えした第8夜。登録者2800人の時代に始めた手書きショートが"アニサキス"でバズり、一気に18万人超へ——こすられ続けることへの本音から、クラファン3Dライブの舞台裏、「ショートでバズれば専業になれるか」の収益談義まで、閉店後らしいぶっちゃけの一夜。
- 美大出身、イラストもLive2Dも動画も全部自作。趣味は活動そのもののワーカホリック気質——でも睡眠はちゃんと確保
- ストックは「全然ない」。一番クオリティの高い最新作を参考に次をブラッシュアップしたいから、あえて貯めない
- 登録者2800人時代に始めた手書きショートが、アニサキスというトンチキな題材とガチガチにマッチして18万人超へ
- 「悪気はないのは分かるけど、今じゃないんだよな」——こすられ続ける本音と、3DライブMCで打とうとした終止符のゆくえ
- クラファン3Dライブは「ファンと一緒に作るイベント」。経験者の助言と、バズったショートと同じ形式での告知で大成功
- 専業になれるかの答えは「条件付きでなれる」。ショートから横動画・配信への導線作りが鍵——犬養さんはいまや実質専業
"アニサキス"で万バズ…今だから言える本音!ショートでバズれば専業になれる?
閉店後の喫茶Laid-Backに気になるゲストをお呼びして、本音を聞いちゃう対談トーク。第八夜のお客さまは、完全セルフ受肉のバーチャルホテルマン・犬養さん。登録者2800人が"アニサキス"で18万人へ——万バズの裏の本音と、ショート専業のリアル。
「悪気はないのは分かるけど、今じゃないんだよな」
「条件付きではあるんですけど、なれると思います」
バーチャルホテルマン、ご来店
第8夜のお客さまは、姿も動画もすべて自分の手で作る完全セルフ受肉のバーチャルホテルマン・犬養さん。膝の上には、キャラクターの「ゆるかいさん」の姿も。
本日、閉店後トークに来てくださったのは——犬養さんです!よろしくお願いしまーす!
はい、どうも皆さんこんばんは。異世界の高級ホテルに勤務しております、バーチャルホテルマンの犬養です。よろしくお願いします。
こうしてちゃんと対面でお話しするのは、初めましてに近いですよね。「今後仲良くしてください」みたいなやり取りはさせてもらっていて、いつか何かやるときにはお呼びしたいなと思っていたので、今回来ていただきました。
ありがとうございます。
実は私、デビューする前にニート期間がありまして。その期間に、犬養さんの動画を結構見させていただいてたんです。すごい面白い動画を上げていらっしゃるなって。……しかも今日、ゆるかいさんも来てる。
はい、連れてきました。
お膝の上の、ゆるかいさんというキャラクター。……犬養さんは、私のことは知ってくださってたんですか?
デビューされるタイミング、その準備中の頃とかで。デビュー前の動きって、VTuberさんによって本当に千差万別じゃないですか。デビューした身からすると「もっとこうしとけばよかったんじゃないか」みたいなのがある中で——こう言うとすごくメタいんですけど、れいさんのデビュー前の動きが気になっていて。
なので、フォローが来たときは本当にびっくりしました。
いや、嬉しいです。この機会をいただいて、ありがとうございます。
名字は「犬養」、フルネームは
「犬養」って、名字……ですよね? お名前ではなく。
そうですね、名字です。一応、フルネームで名乗る場面があったら「犬養あずさです」というふうに言ってるんですけど。
あずささん! ごめんなさい、ちょっと知らなくて……。デビューの時からずっと「犬養」って名乗ってたんですか?
そうなんですけど、視聴者さんから「下の名前、すごい知りたいです」って言われて。「そんな知りたいかな」と半年ぐらい引っ張ったんですけど、ずっと聞かれるので、「まあほら、言うてしまおう」と。
そういうことだったんですね(笑)。下のお名前もあるけれど、基本的には「犬養」で活動してるよ、と。ちなみに、VTuberを知ったきっかけ・始めたきっかけは?
私、実はあの、にじさんじさんなんですよ。
なるほど……! 漢字のお名前も、そう考えてみれば納得ですね。影響を受けたところも?
そうですね、ちょっと影響を受けたじゃないですけど、そういうところもありますね。
完全セルフ受肉、ストックなしの日々
本当なの?って私は疑ってるんですけど……本当に、完全セルフ受肉VTuberなんですか? 歌って踊れて、バーチャルの姿も作れて、動画も作れて、話も面白いわけじゃないですか。
嬉しい、ありがとうございます。本当に、完全セルフ受肉ですね。もともと美大出身で、ペンタブでデジタルイラストを描いていて。Live2Dはその時はやってなかったんですけど、VTuberに興味を持ち始めた頃から覚えた、という経緯ですね。
それを活動しながら、動画も作りながら、配信もしながらやってるわけですよね。ご趣味は……?
もう本当にないんですよ。車に乗るとか、カフェ巡りをするとか、ゲームをするとか、そういう趣味がなくて。私は活動がシンプルに楽しくて。ワーカホリックになりやすいタイプですね。時間があれば、作業用のスペースに向かってる、という感じで。
寝てます……? 無理されてる方も、いらっしゃるじゃないですか。
それで言うと、睡眠時間は結構ちゃんと確保してるんですよ。無理すると配信中にボーッとしちゃったりして、視聴者さんにご心配をかけるのもよくないので。
安心しました。ちなみに、何に一番時間がかかります? ショート動画1本でも、イラストを描いて、動画編集もして。しかも使い回しじゃなく、服装を変えたり動かしたり、結構アニメみたいになってるじゃないですか。
使い回せるところがあれば使い回すんですけど、過去に描いたやつでピッタリフィットするのがなかったら、「ああ、描いちゃおう」ぐらいの感じですね。
いろいろ出されてますけど、動画のストックってあるものですか?
全然ないですね。できたら、もう「見て見て」ってやりたくなるんですよね。
分かる分かる(笑)。
それに、過去に出した動画より最新の動画のほうが、クオリティ的にも自分が納得できるものになっているので。一番クオリティの高い最新の動画を踏まえて、次の動画をブラッシュアップしたいんです。ストックを作ると、それが一周遅れちゃうのがすごくもどかしくて。
分かる……。しかも、ちょっと前に作った動画って、見直すと微妙な気持ちになったりしますよね。「ここもちょっと直したいな」とか。
そうなんですよね。
アニサキスバズと、こすられる本音
登録者18万人超——その転機は、あまりにもトンチキな題材だった。
犬養さんって今、登録者18万人超えで、個人勢としてはすごい数だと思うんですけど。きっかけは、「アニサキスに当たりました」みたいなショートかなと思っていて。
それまで、ぶっちゃけた話、登録者2800人ぐらいだったんですよね。ショート動画は模索しながらずっと投稿していて、「手書きショートをやりたいな」と思っていたのを、そのタイミングで始めて。
そうしたら、アニサキスっていうトンチキな題材がガチガチにマッチして。あれよあれよと1万人を超え、2万人を超え、10万人を超え、みたいな。
アニサキス3Dとか、いろいろ出てましたよね。犬養さん的に、あのバズは良かったですか? それとも「本当はこっちでバズりたかったんだけどな」ってありますか?
良くはあったんですけど……アニサキスをこすられ続けるのは、「うーん」ってなりますね。最近だったら、3Dのダンスのショートを上げても「アニサキス待ってます」とか。悪気はないんですよね、多分。悪気はないのは分かるけど、今じゃないんだよな、みたいな。
ショートだと、視聴者さんに説明するのが難しいですもんね。配信のコメントなら「すみません、これはちょっとみんなに言いたいんだけど」って丁寧に説明できるんですけど。何か意識していることはありますか?
ショートって、クリエイター側からコメントに「いいね」を押せるじゃないですか。ああいうコメントには、意図してハートをつけない、みたいなことはありますね。
それは大事だと思います。本人に伝わらなくても、周りでちょっと気にしてくれる人がいるかもしれないですし。……でも、アニサキスも転機として大事なものではあった。
コメントで「アニサキスも3Dになるんですよね」みたいなのが、マジで信じられないぐらい来るんですよ。なので逆に、3DライブのMCで「いや、もうこすりすぎだぞお前ら」「そんなおもろくないぞ」と言って、供養じゃないですけど、ぶん回して終止符を打とうとしたんです。
言ってましたね(笑)。
それでおしまいにしようかなと思ってたら、それも思いのほか受けてしまって。ちょっともう、どうしたもんかなと思ってます。
どう付き合い続けるか、って感じですね。要所要所でこすりつつ、でも「レギュラーメンバーではないよ」みたいな距離感で。皆さんも空気を読みつつ、マナーを守って楽しんでいただいて。
クラファン3Dライブの舞台裏
話題は、個人勢離れしたクオリティと評判の3Dライブへ。個人での3D配信には、桁違いの費用の壁が立ちはだかる。
犬養さんの3Dライブ、企業さんって感じの本当に素晴らしいライブだったと思うんですけど、あれはクラウドファンディングで実施されたんですよね。私、クラファンって、あるのはもちろん分かるんですけど、何から始めればいいんだろうって全然分からなくて。どうしてクラファンしようと思ったんですか?
調べれば調べるほど、個人で3Dの配信をする環境——スタジオをお借りしたりとかの費用が、数十万とかいうレベルじゃなくて、数百万とかで。
めっちゃいいですけど、難しいかもですね……ってなる金額ですよね。
なので、ひとつのターニングポイントとして、クラウドファンディングの選択肢は全然ありなんじゃないかなと。実際にクラファンをしたことのある人にいろいろお話を伺いながら、「ファンの人と一緒に作るイベント」みたいな感じで考えていたんです。
ブレストみたいに案を出してもらって、「これはクラファンっぽいけど、今回の3D化じゃなくてもいいんじゃないか」というものは外して、ちょっとずつ解像度を高めていって。
もちろん、クラファンをやること自体を知ってもらわないと、とも思って。ありがたいことにアニサキスのきっかけから視聴回数も増えていたので、それまでコンスタントに投稿していたショートと同じ形式で、「クラウドファンディングをやります」というのを投稿していきました。
なるほど……。相談できる方が身近にいたんですか?
知り合いに、すでにクラファンをやっていたよという方がいたのも結構強かったですね。聞いてみたら、めちゃめちゃ優しく、ロードマップみたいな画像までくれて。
すごい……。個人勢って特に、横のつながりから教えてもらえるのがめっちゃありがたいですよね。
そうそう。そこから割と、横の交流を意識して広げるようになりましたね、私も。
その一環というか、犬養さんも動画編集の技術とか、結構公開されてますよね。
ちょっと意識してるかもしれないです。自分がこれで困ったから、みんなに広めたいというところも結構あって。それこそ、Live2Dの作り方なんかもそうですし。
クラファン、やってみて本当に大成功だったじゃないですか。
ありがたいことに、大成功でしたね。
ショートで、どうファンになってもらう?
私のイメージだと、ショート動画がメインだと「知ってはいるけど、そんなに好きじゃないんだよね」という層を、どう越えてファンになってもらえばいいんだろうって思ってたんです。今回クラファンがしっかり達成できたのは「これをやったからかな」って、ご自身で思うことはありますか?
まず、バズったきっかけが、自分の身の上に起こったお話を面白おかしくショート動画にする、という形式だったんですよね。
エピソードトーク系のショートですね。
それを視聴者さんも楽しみにしている、という土壌ができていたので、「こういうきっかけでVTuberになりました」みたいな話も、同じショートの形式で出しやすかったんです。
確かに、自分の話をしやすい形式。逆に、流行り物でバズった人が急に「VTuberになったきっかけは」って始めたら、「自我を出すな」ってなっちゃいますもんね。
そうなんです。なので、自我を出しすぎない程度に細心の注意を払いながら、要所要所に挟み込んでいって。アイドルの応援コンテンツじゃないですけど、「こういう思いで、こういうことをしたいから、賛同してくれる人に応援してほしいんです」というのを、ほどほどにアピールしていった感じです。
あんなかわいらしいゆるかいさんに、そんな戦略的な裏があったとは……。ギャップですよね。ゆるい系のキャラクターから、この声が出て、しかも敬語で喋ってるっていう。いや、イケボだと思いますよ。
実は最初、動画を出すまでは、ボイスチェンジャーでカワボにしようかなと思ってたんです。
ええっ、そこも考えてたんですね。
ただ、なんならこのビジュアルではっちゃけてるほうが、逆にギャップで受け入れられやすいみたいな感じもあって。
今の、そのまんまの犬養さんのほうが、絶対いいと思います。
バズれば専業になれるか、の答え
れいが「ダメだったら後でカットを入れるので」と切り出した、ぶっちゃけの収益談義。閉店後トークらしい、夜の核心へ。
ちょっとぶっちゃけ話として聞いてみたいんですが、いいでしょうか。ダメだったら、後でカットを入れるので……。ショート動画って、バズったら専業としていけるんですか?
自分もショート動画を出していた時期が結構あって。初期はもうちょっとたくさん出してたんですけど、いっぱい出したからといって、生活するには厳しいんじゃないかという現実は感じたんですよ。ショートがメインでバズっている犬養さんに、実際どうですかっていう収益の話を聞いてみたくて。
条件付きではあるんですけど、なれると思います。
おお……! なれる。
バズった人が100人いたら、100人全員がなれるとは思ってなくて。ショートから興味を持ってもらって、横動画とか配信にも視聴者さんが来るようになれば、そっちのほうでもそれぞれ収益が上がるので。
逆に、その人のショートしか見ないという視聴者さんが多かったら、結構厳しいと思うんですよ。私レベルのバズり方をしていても、「ショートしか出せません」という状態になったら、ちょっと厳しいなって思います。
私が好きでよく見ている、男性2人組のショートの方たちがいるんですけど、動画のベースラインがもう100万再生ぐらいじゃないですか。
伸びるやつは200万、300万に乗る、みたいな。あのレベルまで行けば、ショートだけでも……しかも毎日投稿もされてますからね。出し続けられないとですし、ショートだけだと結構不安かなっていう。
やっぱりショートって、稼ぐためというより「知ってもらうため」の側面が強いですもんね。
ショートが回って、そのまま横動画や配信にも来てくれるように導線作りをして。メンバーシップ、横動画、ショート動画の合計で、それでようやく専業になれるか、ぐらいの感じになってくるんじゃないかなと。
ちなみに犬養さんって、ホテルマンのVTuberさんだと思うんですけど、ホテルのほうのお仕事は今どんな状態なんですか?
今はもう、実質専業みたいな感じで時間を取ってますね。嬉しいことに、案件のお話もいただくので。
動画と案件の2本柱、みたいなイメージですね。専業に踏み切るのって、ある程度見込みが立った時期だと思うんですけど……それはやっぱり、アニサキス後って感じですか?
そうですね(笑)。そう思います。
最後は宣伝タイム。5月31日のイベントに、6月10日のデビュー周年、6月下旬には周年イベントの予定も——と、話題は尽きない。「しっかり寝ますので」と笑う、完全セルフ受肉のホテルマン。閉店後の一杯は、ぶっちゃけ話によく合う。