安心教の教祖・安心院みささんをお迎えした第11夜。ソニー・ミュージックのVEEでのデビュー、個人勢としての独立、そしてすぺしゃりてへの加入——企画配信連打の日々から、3000人以上が集まった3Dお披露目の裏で底をついていた生活、明るく告げた「行ってきます」の真相まで、初めて語られた話も飛び出す本音の一夜。
- 原点は輝夜月。ファンクラブに現地ライブ——「私の推し活は、あそこで始まった」から、Twitterで見かけたVEEのオーディションへ
- 独立の理由は「方向性の違い」。どっちが悪いでもない。企画配信連打の方針に、毎回12ページほどの台本と床で仮眠の日々
- 3000人以上が集まった初の3Dお披露目の裏で、手元には生活費すら残っていなかった。明るく告げた「行ってきます」の真相
- 個人勢の壁は、案件と後ろ盾。れいの「こんな案件にご注意!」配信に「私が個人になった時に、これがあれば!」
- すぺしゃりてを選んだのは、領国つかさの3Dお披露目にゲスト出演して感じた「なんかいいな」。企画とゲームを両立できる場所
- VTuberになって一番良かったのは、信者の方が自分の影響で新しい楽しみを見つけてくれること
企業&個人も経験!憧れのVデビューも生活苦しく…独立からすぺしゃりてを選んだ理由とは?
閉店後の喫茶Laid-Backに気になるゲストをお呼びして、本音を聞いちゃう対談トーク。第十一夜のお客さまは、すぺしゃりて所属の安心教の教祖・安心院みささん。企業勢、個人勢、そしてすぺしゃりてへ——明るく「行ってきます」と告げたあの休止の裏側と、いまの居場所を選んだ理由。
「本当に今は、あの時辞めなくてよかったなーって思っております」
「私の影響で新たな楽しみを見出している、嬉しいってなります」
安心教の教祖、ご来店
第11夜のお客さまは、VTuber事務所「すぺしゃりて」所属の安心院みささん。閉店後の店に、名乗りとともに「安心!」の声が響く。
本日、閉店後トークに来てくださったのは——すぺしゃりての安心院みささんです!よろしくお願いします!
どうもどうもみなさん、こんにちは!あなたの心に安らぎを、世の中に安心を。安心教の教祖、安心院みさでございまーす!お邪魔しまーす!安心!安心!安心!……閉店後なのに、もうエンジン全開!
しっとり始まったのに(笑)。
いやいやいや、だって、会った瞬間から喋りたいことがいっぱいあるんです!通話を取った瞬間から、もう!お声掛けいただいた時も、超嬉しかったです。
めっちゃ喜んでくださって。……私のこと、知ってましたか?
当たり前じゃないですか!VTuber界隈にアンテナを張ってる人間は、全員知ってますよ。
いやー、そんなそんな。ちょっと長く働いてるだけなんですけど……知ってくださってたみたいで。
ここにお呼びいただけたことが、もう本当に信じられないというか、嬉しい。閉店後トークに初めてお邪魔して、こうして初めてお話ししているのに、なぜか初めてとは思えないんですよね。
わかります。なんか、前からの友人だったかな、みたいな感じで。
なんか、そんな雰囲気は出ている。れいさんのツッコミも冴えてる!
事務所、個人、そしてまた事務所
みささんって、いろいろな変遷を結構経てきている方だと思うんですよ。
あ、確かに。ちょっと珍しい経歴か?
そうですよね。実は私、みささんのことを本当にデビューぐらいから知っていて。今は非公開になっているアーカイブも結構あるかなとは思うんですけど、その時代から見ているんです。
それ、びっくりなんですよね!本当に初期の初期!
本当にデビューからですよ、これ。……ちなみに、その変遷を軽く喋っていただくことってできますか?
私はですね、2023年の8月、夏に、ソニー・ミュージックの「VEE」という事務所で生まれました。そこから活動を経まして、2025年に事務所から独立し、個人勢になりました。そしてまた時を経て、2025年10月に、現在の事務所「すぺしゃりて」に所属させていただきました。
事務所から個人、そしてまた事務所へ、っていう。結構あんまりいないタイプですよね。しかもずっと、安心院みささんのまま活動されてるんですもんね。
輝夜月から始まった推し活
最初はVEEさんでデビューされたと思うんですけど、VTuberを知って、どうしてなろうと思ったのか。イラストも描けるし、多彩な印象なんですけど。
一番最初は、輝夜月ちゃんを見て。「わ、すごい、こんなに面白いコンテンツがあるのだ」と思って、超ハマりまして。
結構前ですよね。2018年とか。
そうなんですよ。ファンクラブも登録し、現地ライブも行き、ちゃんと推し活。私の推し活は、あそこで始まったんです。
ドハマりして、「楽しそうだな、私もやってみたいな」と、だんだん憧れを持つようになって。そこからVTuberという文化自体にハマって、いろんなVTuberさんを見るうちに「私も、私も」という気持ちが強まっていきました。
そんな時に、Twitterでたまたま流れてきたんですよ。VEEのオーディションが。最初に募集をかけていたのが、2021年のことでした。当時はみんなが同じオーディションを受けて、続々とデビューしていく形で。みんな1期生みたいな扱いなんですけど、私は6番目ぐらいのデビューだったんです。6期生ではなく、1期生の6番目、みたいな。
いきなりVTuberになったんですか?それとも、社会人経験を経て?
いきなり、ではなかったですね。バイトとか、他のお仕事をしていました。
お仕事をしながらもVTuberをやってみたい気持ちがあって、そこに流れてきたオーディションとマッチして「これだー!」って。
これだーって。やっぱ、ソニー・ミュージックだし、もう間違いないっしょ!って。受かったっていう通知が来た時は本当に嬉しくて——ケーキ買ってきました。
かわいい……!
方向性の違いと、企画配信連打
れいが「正直これ、聞きたいことではあるんですけど」と切り出したのは、事務所から独立した理由。
まず、どうして一回、独立しようと思ったんでしょうか。
配信でもお話しした通りではあるんですけど、方向性の違いってやつですね。よく聞くやつ。
言えること、言えないことの範囲があったり、契約があったりしますもんね。
そうそう!あーもう、よく汲み取ってくださる。
でも全然、嘘じゃないんですよね。その「方向性の違い」っていうのは。確かに、ブログにタイトルをつけるんだったら「方向性の違いについて」なんですよね。
そうなんですよ!タイトルをつけるなら、もうそれでしかなくて、どっちが悪いとかもないの、本当に。バンドの方向性の違いで解散!これと同じことです。
話せる範囲で全然大丈夫なんですけど、自分の中で「ここは方向性が違ったな」と思ったところで、特筆すべき点ってありますか?
まあ様々あるんですけど、これは事務所のタレントさんも配信で語られていた話なので、私も触れて大丈夫かなーっていうところでお話しさせていただくと……結構、方針というものがありまして。その人のスタイルに合った「こうしていきましょう」みたいなものがあったんですけど、私の場合は「企画配信を連打していこう」みたいな部分だったんですね。なので、雑談やゲームなどはしていかない、というところだったんですけど。まあ、結構それって大変で。
大変だよ!
企画配信だけっていうのは、相当大変なことで!一番最初は、サムネイルの作り方もわからない、OBSの操作もわからない。そんな人間がいきなり企画配信連打を始めるっていうのは、本当にすごいことなんですよ!
なるほど!それっていうのは、事務所さんと「こういう方向性でやっていきましょう」っていうのを決めたうえでの、あの配信スタイルだったんですね。私はデビュー当時から見ていたので、なんとなく腑に落ちます。
床で寝る、作業する。12ページの台本
私自身も、企画は楽しかったんです、すごく。なんですけど、それとは別に、物理的な限界って言うんでしょうか。睡眠時間が足りない。床で寝て、仮眠の毎日みたいな。床で寝る、作業する、床で寝る、作業する。
でも、企画配信って、やることをわーっとやったら終わるんですけど、それが大体1時間前後なんですよね。配信って途中から人が来るじゃないですか。途中から来た人は、何やってるか、よう分かんないと思うんですよ。
伝わりづらいところは、企画によってはあるかもしれないですね。劇的な配信だと、最初の伏線を見ていないと、流れやオチがよくわからない、とかもあるかもしれませんし。しかも、そういう企画配信って準備にすごい時間がかかるんですよね。配信時間は短いから、あまり工数がかからないと思われがちなんですけど、面白くするために素材を準備したり、効果音やBGMを準備したり、いろいろ演出しないと面白くできないので。
やはり私、OBSの操作に慣れていないという点でリハーサルも必要だったし、流れを間違うわけにいかないから、台本も書いていたんですよ。台本も、だいたい毎回12ページくらい。それを書いて配信を始める、ということをやっていたので、もう本当に大変だったんですね。
企画だけで回すっていうのは、月1回絶対に当てられる人とか、ものすごく大きな企画をやれる才能がある人ならいけると思うんですけど。不安もありますよね。プレッシャーもめちゃくちゃあるし。しかも、そういう人ってちょっとミステリアスさも大事だったりするじゃないですか。
そうなんですよ!本当はこんなにおしゃべりなのに!
そう、みなさんとめちゃくちゃおしゃべりだし、コミュニケーションで輝くタイプだなって、接していて思うんです。大人数の中でも「ちょっと待ってくださいよー」って言えたり、ファンの人をいじったり、いじられたり。企画だけで全部当てていくのはプレッシャーだし、企画を考えるのは楽しいけど大変だし。
そういう事情があったから、最初にDiscordでご連絡したとき、「すごい準備していて、すごいなと思いました」って言ってくださったんですね。
そうなんですよ。れいさん、配信では「聞くだけでも大丈夫、画面を見なくても楽しめる」っておっしゃってますけど、画面も相当凝ってるから「みんな見てね?」と思いながら私は聞いてます。
いやいや、ありがとうございます。嬉しい……。そういうところを感じ取ってもらえるのは、みささんが「どうすればわかりやすくなるかな」って考えてきた実績があるからこそなのかな、と思って。
配信素材の準備は本当に大変なんだ!配信時間以上に時間がかかるんだ!
3000人の景色と、空っぽの財布
そうした日々も重なって、独立を決めたみささん。「でもそこで、VTuberを辞めるとはならなかったんですね」——れいの問いに、みささんは「やめようと思ったタイミングは、ありましたね」と答えた。
事務所でデビューしたからといって、安泰かというと、別にそういうわけでもない。金額をリアルに出すのは難しいかもしれないですけど、一番最初の事務所さん時代は、専業でしたか?兼業でしたか?
専業でやるしかない感じでしたね。生活は本当に苦しいんですけど、配信業以外の副業で補填するのが難しい状況で。
一人暮らしですもんね。家賃、どうしようってなりますよね……。
そうなんですよ、家賃が払えんので。最初は「頑張りどき」と思って貯金を切り崩しながらやっていたんですけど、もうそうもいかないぐらいになってしまって。
ちょっとネガティブな話になってしまうんですが、あまり暗く聞かないでほしいんですが……とあるタイミングで、家族の喪主を務めることになってしまいまして。皆さんに言っていなかったので、今、初めて言うんですけど。
当時の私の収入では、葬儀代のローンも通らなくて。親戚に頭を下げてお金を借りて、なんとか家族を送り出す、っていうとんでもない事態にまでなってしまって。まだ自分が苦しいだけならいいんですけど、貯金も底をつき、家族も亡くし、葬儀代がない。これらが重なった時に「んー、無理だー!」ってなって、そこからバイト月間ですね。
一時期みささんが、「もう貯金がないのでバイトをします」って、結構明るく枠を立てて、「一回行ってきます」と仮休止していた期間がありましたよね。それって、実は裏側そんな感じだったんですね。
そうなんですよ。その時っていうのが、ちょうど初めての3Dお披露目で。3000人以上の方が来てくれて、超大盛り上がりで、私の配信史上最高の景色を見せていただいたんですけど——なんだけど、手元には生活費すら残っていない、みたいな状況だったんですね。
表では「すごいじゃん、新人なのに」みたいな感じだったけど、裏側はもうそんな感じになってたと。
私の活動の方針とか以前の問題で、生活ができないから。運営さんにも、視聴者の皆さんにも「行ってきます」って。
明るく言ってましたよ、その時。えらい、えらい、プロだ。あなたはプロですね。
その時は本当に、どうしようと思っていました。そのまま活動を続けて良いのか、悪いのか。でも、その3Dお披露目をもって、メンバーシップが解禁されたので。
それはよかった。でも確かに、家族の事情とかが重なると、結構メンタルに来ますからね……。
そうなんですよね。メンタルもだし、いろんな意味で限界を迎えていたところでしたね。
じゃあ、あの時「仮休止」と言っていたけど、そのまま辞めるという選択肢もゼロではなかった?
もう全然、ゼロじゃなかったですね。
辞めなくてよかったー……!
本当に今は、あの時辞めなくてよかったなーって思っております。メンバーシップを開設したことで、ある程度生活は安定するようになりました。
個人勢の壁——案件と後ろ盾
その後、個人として独立されて、のびのびやっているのかなと拝見してたんですけど。そこから、すぺしゃりてさんに所属する流れになったのは、どうして?
いやー、これ聞いてくださいよー!まず、案件が大変!
一人で回すことになりますもんね。
れいさんがちょっと前にあげていた「こんな案件にご注意!案件で個人Vが気をつけていること!」って配信、ありましたよね。私が個人になった時に、これがあれば!
見てくださったんですね。いいノウハウでした?
めっちゃ良いっす。これからの個人勢VTuberの皆さん、絶対見てください。あそこで気をつけろって言われていることが、まんまとでした。いろんなところからお声がかかって、真面目に話を聞きに行ったら「いや、喋りたかっただけなんす」みたいな人もいたりして。企業さんといえど、全員が全員しっかりした大人じゃないんだと思って。あの配信を見ていたら、せめてメールの段階で切り落としてたな、って。
よかった、フィルターになりそうな条件が揃っていたんですね。
案件に始まり、守ってくれる方がいないとなると、お便り募集のメールフォームを作っても嫌がらせのようなことが続いたりして。後ろ盾がないからやっても大丈夫だと思う人がいるのかわからないんですけど、そういうことに心をすり減らしてしまって。
後ろ盾がないのはちょっとな、でもVTuberは続けたいしな、ということで、オーディションを考え始めた。
すぺしゃりてを選んだ理由
その中で、どうしてすぺしゃりてさんに所属したいと思ったんですか?
素敵な事務所さんはいっぱいありますよ。その中ですぺしゃりてがいいなと思ったのは、1期生の領国つかさちゃんの3Dお披露目に、ゲストで出演したときなんです。ゲストで行くと、内部がちょっとチラッと見えるじゃないですか。その時に、少しのことだったんですけど、すごく「なんかいいな」ってなったんですね。
雰囲気が良さそうだな、と感じたんですね。
グッズのクオリティもすごいし、デザインも可愛いし。企画をやりつつ、ゲームも中心的にやっていて、配信内容も私のやりたいことと一致してるかも、と思いました。
ちょうど、新しい期生の募集ではなく「加入枠」の募集が発表されていたんです。受かるかなっていうところはありましたね。自分に、あんまりゲーマーのイメージはないと思うので。
でも最近は、エルデンリングとかも挑戦してましたよね。
フロムゲー、大変かなーと思って避けていたんですけど、始めてみたらめちゃめちゃ面白くて。無限にできるなーって。私の気質と合ってるというのかな。
かつては限界の夜に、同期の子に、ど深夜に電話をかけて、朝まで号泣通話——ということも何度かあった。それが最近は「泣いてないかも、わたくし!」。
VTuberになって、一番良かったこと
大変だった時期の話が続いた夜。「最後はキラキラな終わり方もしたい」と、れいが最後の質問を投げる。
VTuberになって一番良かったと思ったこと、何ですか?
うわー、難しい。いっぱいあるな……。すぺしゃりてに入って、メンバーに恵まれているとか、マネージャーさんと一生懸命ものづくりを頑張ってるとか、めちゃめちゃ楽しいこと、嬉しいことはあるんですけど。
一番はやっぱり、私の活動を通じて、信者の方が「自分はこういう楽しみ方をしています」とか「教祖の影響で今日こういうことしました」とか聞いたときかもですね。あ、すごい、私の影響で新たな楽しみを見出している——嬉しいってなります。
なんか、友達ができた感じがしますよね。ネットを通じて。
そうなんですよ。私がこれが好きって言ったら「自分も買ってみた」とか。そういうのに、ニコってなっちゃいますね。
ずっと人生を共にしてきたわけではないけど、バーチャルな存在として一緒に人生を歩んできて、そこで見つかった同志、みたいな。
いろいろ喋っていただいて、初めての話もしていただいて、ありがとうございます。最後に宣伝はございますか?ちょっと大きいものがありますよね。
実は私、10月の下旬にソロライブを控えております!みなさん、よかったら遊びに来てね。オンラインチケットもあるよー!安心、安心、安心!
すごーい!素敵な太ももをお持ちなので、いつかフィギュアにもなっていただいて。
そうなんです!私、フィギュア化もしたいんです!メーカーさん、お声掛けお待ちしております!いつでも、すぺしゃりて運営までお問い合わせお願いします!
企業勢、個人勢、そしてすぺしゃりてへ。明るい「行ってきます」の裏側まで話してくれた安心教の教祖は、最後まで「安心!」の声を残していった。