あおぎり高校のロッククイーン・春雨麗女さんをお迎えした第4夜。オリエンタルランド勤務から、保険を置かない「一本狙い」であおぎり高校へ飛び込んだ転身劇、3時間睡眠・31日分の動画編集という壮絶な忙しさ、そして同期がいない孤独まで——それでも「音楽ができるだけで、全部チャラ」と笑い飛ばす、ロックな生き様の一杯。
- VTuberを知ったのは「初期の初期」。きっかけは、相方ヒナちゃん加入前、一人で動画を出していた頃の田中ヒメ
- 前職はオリエンタルランド。ショートで大バズするあおぎり高校に「ここに入ったら人生大掛けの音楽がもう一回できるのでは」——保険なしの一本狙いで転身
- なって分かった「バカほど忙しい」。全部自分が責任者、休止前には31日分の動画をひとりで編集して「頭がおかしくなりそうだった」
- 完全新人ゆえに同期がいない。「一人でエナドリ飲みながら動画編集」の夜と、先輩たちへの「かまってください」
- 逆質問「なんでれいさんは昼間に配信するんですか?」——社会人時代の昼休みの寂しさから生まれた、昼の店の理由
- 21時就寝のれいと3時間睡眠のうらめ、時が止まるほどの生活リズム格差。それでも「音楽があれば、全てほんとチャラ」
社会人からあおぎり高校一発狙い!3時間睡眠も音楽があればチャラ?ロックな生き様に迫る
閉店後の喫茶Laid-Backに気になるゲストをお呼びして、本音を聞いちゃう対談トーク。今宵のお客さまは、あおぎり高校のロッククイーン・春雨麗女さん。社会人からの「一本狙い」の転身、そして3時間睡眠でも音楽があればチャラな日々の話。
「ここに入ったら、人生大掛けの音楽がもう一回できるのでは」
「いろいろありますけど、全てほんとチャラですね、私の中では」
「動物園の檻に手を突っ込むタイプ」
第4夜のお客さまは、あおぎり高校の春雨麗女さん。実はこの収録の少し前、れいがうらめさんの番組にお邪魔したばかりの間柄だ。
本日、閉店後トークに来てくださったのは——あおぎり高校の春雨麗女さんです!よろしくお願いしまーす!
よろしくお願いします。あおぎり高校の春雨麗女でございます。
この前、うらめさんの番組にお邪魔させていただきまして。
その節は、本当にありがとうございました。音楽とか、結構お互い似てるところがあって、いろいろシナジーがありましたよね。
うらめさんって、初配信でもおっしゃってたと思うんですけど、お仕事をされてからのVTuberなんですよね。……それにしても、意外でした。
私だって意外でした。れいさんといえばめちゃめちゃしっかりしてて、私のようなやつとは共通点もないかと思ってたので。
確かにあおぎりさん、ぶっ飛んでるところありますけど(笑)。まさかあんなに話が弾むなんて、と思って。
れいさんが話しかけてくださったのが、マジで意外で。「もしかしてこの人、動物園の檻に手を突っ込んじゃうタイプの人かな?」と思って。好奇心で。
私、確かにSNSはクリーンな感じじゃないですか。自分で言うのもあれなんですけど。だからバレずにいるんですけど……割と、檻に手を突っ込むタイプですね。
そうなんですね(笑)。突っ込んできてくれたから、「これはちょっと、すりすりしに行かなきゃ」と思って。すりすりしに行きました、「危険な動物じゃないよ」っていう。
きっかけは田中ヒメ
うらめさん、VTuberを元々知ったきっかけって覚えてます? 結構、本当に初期の方から見てるっておっしゃっていたかなと思うんですが。遡ること6、7年とか、そのレベルだったりします?
いや、本当に初期の初期ですね、私。
え、どうやって見つけたんですか、その文化を。
なんでだったかなあ……。でも、「あ、これはVTuberって言うんだ」ってちゃんと認識したのは、田中ヒメちゃん。一番はじめ、一人で動画を出していた頃ですね。
懐かしいです。まだ相方のヒナちゃんが入ってくる前、一人でやっていた頃。
そうなんですよ。見て「めちゃめちゃ好きだな」と思って。「最近YouTubeで見る、このアニメが動いてるみたいなの、VTuberっていうのか」って思った記憶があります。
本当に出来立てぐらいですよね。「VTuberというジャンルなんだ」っていう認知が広がったぐらいの。
本当に、そのぐらいでしたね。
あおぎり高校、一本狙い
初期の初期からVTuberを見てきたうらめさんは、どうして自ら飛び込むことにしたのか。話は前職時代へ遡る。
結構前にVTuberを知って、そこから「なろう」と思うまでは時間があると思うんですけど、どういうことがきっかけになったんですか?
元々、エンタメ的なことがすごく好きなんですよ。元の働いてた会社もディズニー……オリエンタルランドにいたりとかして。楽しいことなんでも好きなタイプの人間なので。
元々クリエイティブなことをされてたんですね。イラストも自分で描いたり、MMDも作ったり。
そうなんですよ。で、たまたまYouTubeを見てたら、当時ショートで大バズし始めていたあおぎり高校が目に入ってきて。私、あおぎり高校はもう、てっきり死んだものだと思ってたんですね。
一時期ね、いろいろありましたからね。私もちょっとその辺は見てましたけど。
「もうあおぎり高校はなくなってしまったんだ」と思ってたら、まさかの大バズりで。「え、あおぎりってまだ生きてたんだ」「めっちゃおもろいやん」ってなって。
自社ですよ? そんな言い方でいいのか(笑)。
めちゃめちゃ面白くて。「私もここでちょっとクリエイティブやりてえ」と思って——もう、一本狙いで。
マジで会社員からの一本狙い……! 私が考えるんだったら「副業でとりあえず始めてみる」っていう選択肢もなくはないと思うんですけど、本当にすぐって感じだったんですか?
もともとバンドマンで、音楽がやりたかったのもあって。「もしかしてここに入ったら、人生大掛けの音楽がもう一回できるのでは」と思って。
かっこいい……。保険とか置かないんだ。あおぎり高校に全ベットで入ってきてる。すごい。
「バカほど忙しい」
「見る側」だった頃とのギャップを尋ねると、うらめさんは視聴者だった自分への謝罪から話し始めた。
ずっと見てきたVTuberと、実際になった後とで、「このギャップは大きかったな」ってあります?
唯一、本当に「すみません」と思っていることがあって。……バカほど忙しい。
わかる。私レベルでさえ忙しいんですよ。企業VTuberさん、マジで忙しいと思う。
舐め腐ったことを言うようであれなんですけど、「言うて、配信者さんって配信したり動画作ったり、そんぐらいじゃない?」って思ったりしてたんです。入ってから、本当にすみませんって思いました。
多分、社会人を経験してなお忙しいですよね。
働いてた頃も、始発で出社したりとか全然してましたけど、それと似たように、ずっと忙しいですね。……「ああしたい、こうしたい」って自分にしか答えがないから、相談しても、結局答えは自分で出さないといけないんですよね。
めっちゃわかる。編集を人に頼んでも、チェックして、自分が良しとするのか——結局、自分が見ないといけないじゃないですか。
そうなんですよ。作業の一工程を人に頼むことはできるんですけど、大筋は自分でやらなきゃいけない。全部自分が責任者だから、全部に関わらなきゃいけない。それが積み重なり積み重なりで——「はぁ、めっちゃ疲れた。クソ偉いやつ。寝よう!」ってなるんですよね。
寝てください!(笑) ……ライブもやられたじゃないですか。私はまだやったことがないんですけど、あれって相当忙しいんじゃないですか?
やばいですね。選択の連続で、「これとこれとこれ、どうしますか」「どれがいいですか」「これについてミーティングさせてください」みたいな。プラスで、まだ告知が出てないから、配信頻度を落とすわけにもいかないじゃないですか。
まだ告知が出てないから、「なんでこの人、最近忙しいんだろう」って思われちゃうんですよね。
我々、毎日の配信をやりながら、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後のことをやるんですよね。
しかも私、ちょうどライブが終わった後、すぐ休止に入る時期だったんですよ。休止の準備で「1ヶ月、31日間毎日動画を出します」っていうのをやっていて。
その編集って、基本的にはご自身でされてるんですか?
全部自分でやったので、頭がおかしくなりそうでしたね、あの時期は。
「31本を休み中に出すんだから、我々、褒められて然るべき」と笑い合うふたり。マネージャーがメンタルを回復してくれることは「全然ない」そうで、一番のモチベーションはファンに喜んでもらえること——「そう考えると、私も同じか」と、れいも頷いた。
同期が、いない
「褒めてくれる人」の話は、箱の中の孤独へ。うらめさんが打ち明けたのは「同期がいない」という寂しさだった。
逆に企業だと、横のつながりで褒めてもらえたり、っていうのはあるんですか?
箱のメンバーがしてくれるかと思いきや——私、その「同期」というものがいないんですよ。
そうか、そうなんですね。
私の下の子たちはみんな3人同期だったり、上の先輩たちも、その期間でちょっと固まってる方々がいて。私は、最後に出た人からだいぶ間が空いての、完全新人だったので。
なんとなくのくくりというか、名前のついた「一期」みたいなものがない。
みんな全然仲良くはしてくれるんですけど、「そうだよね、そこのメンツになるよね」みたいな。二人三脚的にやっていく人がいないから、同期がいる人たちを見てると、めっちゃ羨ましいなって思う。
「活動で辛いことも、結構みんなで話したんだよね」みたいな青春ストーリー、あるじゃないですか。私、一人でエナドリ飲みながら動画編集ですよ。
そういう意味でも、あおぎりさんの中でも割とユニークな立ち位置なんですね。
もっと先輩たちにも、かまってほしいんですけどね。「かまってください」ってずっと言ってます。「先輩たち、なんで自分たちばっかりそうやって遊んで、私にかまってくれないの」って。
メンヘラ出てる、メンヘラ出てる(笑)。
そうすると「いや、私たちはお前を構いに行ってるのに、お前がいつも忙しいんだろ」って言われますね。
実際になってみて思ったのは——喧嘩になるくらい毎日顔を合わせる時間なんて、そもそもなくないですか?
マジである。「ここ、不仲なんじゃない?」とか言われることもあると思うんですけど、いや、みんなそんなに暇じゃないと思うけどな、って。
「こことここが仲悪くて」みたいな小学生みたいなこと、「やってられるか」の人が大半だと思うんですよね、リアルな話。
前倒しの保険と、昼の店
休みの日もつい開いてしまうチャットツール、「休みたいけど、休みたくない」——社会人あるあるで盛り上がったふたり。れいが、どうしても捗らない日の乗り越え方を尋ねた。
捗らない日って、絶対あるじゃないですか、人間だから。そういう時どうしてます? いっそ休みにしちゃうのか、何をすると頭が働くようになるのか。対策とか対処法、知りたいです。
とんでもなく捗らない日は、相当切羽詰まった作業がない限り、休みにしちゃいますね。
えらい! ちゃんとそこで頭を切り替えるんですね。えらいえらい。
普段は本当に、なるべく休みを取らずに動いてるんですよ。ちゃんと休みを取っちゃってると、突発で取れなくなるから。やばい時の保険として、いろいろ前倒しにして——ダメなときは、休む。
そこ、社会人経験がVTuberに生きてると思いません?
確かに。「先にやっとく」は社会人時代に培われましたね、このスキルは。なんだかんだ、社会人力って大事だなと思うんですよ。
わかります。やっぱりその辺が、ちゃんと生きてるんですね。
逆に、私から聞きたいことがあるんですけど。……なんでれいさんって、昼間に配信するんですか?
私、もともと社会人だったのもあって。昼間につかの間の休憩があった時、ご飯を食べたりしながら、なんか見たい方だったんですよね。でも、あんまりやってなくて。「ちょっと寂しいな」って手持ち無沙汰になることが、まあまああって。
夜は結構いろんな配信をやられてて、「推しを見るんだよ」っていう方もいらっしゃると思うので。じゃあ私は、皆さんの「もう一頑張りタイム」に、画面を見なくても聞いて楽しめる配信を、昼にメインでやろうって。
なるほど……優しさなんですね。
「そういう配信があったらよかったかもな」って、当時ちょっと思ってた、っていう感じですね。長すぎず、昼に1時間ちょっとくらいで、ラジオ的に耳だけでも聞けて、帰ってきてからアーカイブで、好きな時間に見てもらってもいいし。
あと、昼メインにしているもう一つの理由は……夜をメインにすると、二度と社会人できなくなるなと思ったんですよね。
二度とシャバに戻れない(笑)。
音楽があれば、全部チャラ
生活リズムの話は、チャプターにも掲げられた「謎のおばけ体力」の真相、そしてこの夜の核心へ。
夜型になると、目覚めが午後になっていくのが、わりかし普通だと思うんですよ。逆に4時とか5時に起きて、ピークを21時に持ってこれてるの、お化けだなって思いました。普通は眠いですよ。
私、トライアスロンとかした後の眠気で、気持ちよくなっちゃうタイプなんですよ。ガックガクになった状態でシャワーを浴びて、布団に入って気絶——みたいなのが、めっちゃ気持ちいいと思ってる人間なので。多分、めっちゃ「生きてる」って思うんですよ。
怖い怖い、ある意味不健康な人で怖い……。命をすり減らして活動するのが大好きなんだな、っていうのが分かったんですけど。もう、マインドがずっとバンドマンなんですね。
確かに(笑)。それで、れいさんは何時に寝てるんですか?
めっちゃ早いです。9時とか10時ぐらいには寝てますね。
え? ——びっくりしすぎて、今ちょっと時が止まっちゃった。そんな寝れます?
シンプルに寝れます。逆にうらめさんが寝なすぎなんですよ、3時間って。実は普通の人間って、7時間8時間ぐらい寝れるもんなんですよ。
まあでも、休みの日は結構、そのぐらい寝ますけど。
休みが、ないのに……? ——でも、今すごく楽しんでVTuberの活動をされてるんだなっていうのは、めちゃめちゃ伝わってきました。一番楽しかったことでも、「大変だったけど、これはやって良かったな」でもいいんですけど、ありますか?
本当に、全部そう思います。音楽がもともとめちゃめちゃやりたくて、学生時代からずっとやってたんですけど、あんまりうまくいかなかったので、諦めてたんです。あおぎりに受かった時、「音楽をもう一回やらせてくれるんだったら入りたいです」っていうので入ったので。
音楽ができるだけで、基本的にその他の大変なことは、全部私の中ではノーカンになるんです。いろんなことありますけど——運営ムカつくとか、マネージャーに連絡が取れなくて「ぶっ飛ばしてやろうか」とか。
「冗談ですよ。彼女は冗談を言っています」というテロップを、下に出してください(笑)。
いろいろありますけど、全てほんとチャラですね、私の中では。
「夢が追えてるだけで感謝」と頷いた締めくくり、うらめさんはれいを「マジで、会社の同期と話してるみたい。めちゃめちゃ喋りやすい」と評した。誕生日に向けた企画も準備中といううらめさんのチャンネルは、だいたい毎晩21時ごろから配信中——れいのアーカイブを見終わった夜のお供に、ぜひ。